Startup Weekendに参加して2年、私に起きた3つの変化

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この記事は、Startup Weekend Advent Calendar 2016 の最終日になります。
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遡ること2年。2014年の11月、Startup Weekend Yokohamaに初めて参加したあとで。
興奮を誰かに伝えたくて、私はこのブログを作って最初の記事を書きました。

それからStartup Weekendに何度か参加して、オーガナイザーも何度か経験した私自身には、どんな変化があったのかということを、3つ書き記しておきます。

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▲11月に開催されたStartup Weekend Yokohama 6にて記念撮影

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1. 社員でいることが目的でなくなった

働き方についての意識がすっかり変わりました。

およそ10年前、大学3年の秋に、就職活動を始めた私は、新卒での就職以外の働き方があるなんて、考えたこともなかったのです。
そして就職して、数年後に転職をして尚、このまま自分は会社員をするのだろうとぼんやり思っていたときに、Startup Weekendに出会いました。

イベントの会場で知り合った人は、会社員のみならず、学生、起業家やフリーランスのエンジニアなどなど、自分とはキャリアパスが違う人たちがいて、多様なバックグラウンドを持っていました。
色々な人が、参加者やコーチ、オーガナイザーなど、色々なかたちで、「新しい事業をつくる、課題を解決する、チャレンジを応援する」ことを目指してつながるコミュニティ。
そこはとても気持ちのよい場所でした。
そのコミュニティのメンバーとつながりが深まり、価値感や理念が少しずつ自分の中に浸透するなかで、働き方の固定観念がなくなっていきました。

今、私はとある会社の正社員ですが、その立場を続けることにこだわりはないです。これから自分が価値を創ることを第一に考えて、キャリアを作ります。
複数の仕事に同時に取り組む、「複業」も考えています。

いつの日か起業することもあるかもしれません。それも、選びうる、働き方・生き方として、まったく違和感はなくなりました。

2. リーンな企画と提案ができるようになった

私は、計画を事前に固めてから何かをやりたいと思う意識が強い一方で、実際には計画倒れのことが多くて、自分の行動力がないことに、ずっとモヤモヤしていました。

Startup Weekendで「リーン・スタートアップ」の考え方に出会い、それを実際にアクションして、学びを得る経験ができたことで、リーンの良さを知りました。そして、それを使える範囲が、起業や新規事業といった領域にとどまらず、普段出会うようなケースにもかなり当てはまることに気づきました。

たとえば、お客さんに何かを提案するときの仕事の仕方です。
私は企画提案も含めた営業をしていました。そして、どちらかというと、ガチガチに企画を固めて提案するようなスタイルでした。でも、それだと上手くいかないケースもよくありましたが、それがなぜ上手くいかないか、よく分からなかったのです。

でも、リーンの立ち上げ手法を体感した結果、たとえば企画営業の仕事においても、いきなり計画を作りこむのはあまり良くない、と理解できました。
リーンの考え方を企画に取り込むと、お客さんを観察したりヒアリングして、得た気づきを元に「ざっくりした提案」を短時間省エネで作って、お客さんに当ててみて求めるものに会っているかどうかを確かめる、それをいかに短時間で繰り返すか、が焦点になります。

この手法を取り込むようになり始めてから、だんだんと企画営業の仕事で、うまくいかずに疲れ切ってしまうことが減りました。
自分の思い込みベースでなくお客さんから得られるサインに沿って仕事をすることが、結果的に自分もお客さんどっちも助かり、会社にもプラスなのだ、ということが分かったのは、Startup Weekendの経験が大きかったと思います。

3. 面倒事をゲームとして楽しめるようになった

想定と外れた面倒事が起きた時に、そこに社会の課題とビジネスの機会があるのではないかと考えられるようになりました。

と、書いても、固くて伝わらないので具体例で。

今日ちょうど、友人に頼まれて、街にペット(犬)のグッズを買いに行きました。ペットを飼ったことがほとんどない私は、「たぶん100円ショップで売ってるよ」という友人の言葉を信じて、100円ショップに行きました。そしたら、一切ペットグッズが見あたらず、店員さんに聞いても扱ってないとの答えが。びっくりしました。
しかたなく、近くの別の100円ショップ2軒、さらにドン・キホーテまで行ったのに売っていない。ほかにコンビニを3軒も覗いたのに、それも全滅。ちょっと諦めそうになりつつ、Google検索でキーワードを調べたら、ドラッグストアに売っているケースがあるとわかり、ようやく大きめのドラッグストアにたどり着いて、それを買うことができました。

この経験に対して、以前の私なら「なんて無駄足をしたのだろう」「友人はどうして正確な情報をくれなかったのだ」と、不満を露わにしてしまったかもしれません。

でも、今日の私はあまりそういうことも考えず(一瞬は思ったのですが・笑)どちらかというと、なぜペットグッズが、私が歩き回った商業エリアの100円ショップとドン・キホーテにて扱われていないのかを、店をまわりながら、考えていました。
そして「100円ショップ企業&ドン・キホーテにおいて、ペットグッズは都心店では売れ行きが良くないということが過去にデータでわかったので、店舗面積が限られる中で収益最大化するためには扱うのを止めてしまったのではないか?」という仮説を立てたのです。
そして、「もし都心でペットグッズを手軽に入手できるビジネスがあれば、それは受け入れられるだろうか? その場合の検証方法はどんな感じになるかな?」と考えていました。

この仮説が正しいかどうか、それは企業に聞いてみないとわかりませんし、ビジネスを検証してみるのも良いかもしれませんが、そこまではする予定はないです(笑)。

大事なことは、私がStartup Weekendの参加者のマインドセットを持てたことで、「頼まれた買い物が売っておらずに店を回りまくる」という面倒事が、事業の種探し、というゲームに置き換えることができた、ということです。

友人に対しては不満ではなく、「面白い機会をくれてありがとう」という感謝の気持ちも持てました。

Startup Weekendで学んだ仮説検証の思考は、ひょっとしたら、アンラッキーをラッキーに変えて、さらにハッピーを生み出す「アタマとココロの錬金術」かもしれません。

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ということで、Startup Weekendに参加して2年経って自分が変わったと思うことを3つ書いてみました。

ほかにも、チームを作る難しさとおもしろさ、Startup Weekendのオーガナイザーの経験のありがたみ、などなど書きたいことはいっぱいあるのですが、紙面の関係でそれはまた今度…。

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▲12月に開催されたStartup Weekend Tokyo Fintech #2のオーガナイザーチーム

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最後に、直近のStartup Weekendのお知らせです。

来年の1月20日から22日の3日間にかけてStartup Weekend Tokyo Sportsが開催されます。スポーツをテーマにしたStartup Weekend、その日本での初開催となります。
スポーツ領域で事業をつくることに興味ある皆さんのご参加をお待ちしています!

とはいえ、今日ブログで書いたように、Startup Weekendは起業家のためだけのイベントではないのです。
2年前の私みたいな(いまもですけど)会社員や、学生も多く集まるコミュニティです。プログラミングできない人、イラスト系のソフトを使えない人もいっぱいいます。それでも、チームを組んで、何かプロダクトを作って仮説検証することはできます!
大それたイベントだ!…と身構えずに、ハードル低めに参加してもらえたらうれしいです(笑)。

あとはテーマのスポーツに興味はないんだという方にお伝えしたいのですが、実は囲碁将棋や、他の対戦ゲームも、ぜんぶスポーツの範疇なのです。ほかには、健康維持のための日常的な運動もスポーツと考えると、ヘルスケアや医療の領域も範疇かもしれません。
このように、テーマありのStartup Weekendというのは、けっして参加者の属性に制約を課したいわけではないのです。関心が近い人が集まることで、課題の方向性が近くなり、事業が作りやすいのでは、という思いで運営されています。
ということで、テーマありの回も、気軽に参加してみると良いかと!

Startup Weekend Tokyo Sportsについて、詳しい情報や参加申し込みは こちら をご覧ください!

ではでは、お読み頂き、ありがとうございました!